書籍・雑誌

2006/03/26

初めての著書「ポケモンおんがくわーく」完成♪

まさか、実現できるとは思っていなかった。
この私にも、著書なるものが持てたのだ。ISBNコードの書かれた奥付を校正でみたときの感動は、大げさなほど、強く、しっとりしたものだった。

私は、小説家やエッセイストになりたがっている人間である。
で、同時にピアノを20数年にわたって教えてきた。他人様に何かをお教えするなんて芸当が自分にできると思っていなかったので、ピアノの先生業は成り行き、すぐに見放されるものだと高をくくっていた。

ところが、やっぱり生身の人間とのコミュニケーションは面白く、どんどんやめられないものになっていった。生徒がいなくなったら辞めにしようと思っていたが、有り難いことに、私は未だに、年ばかりくっても未熟極まりないピアノのセンセイでいさせて頂いている。

そもそも私は、とにかく、毎回、全力投球で集中して、ピアノの椅子に座っている人に、心をこめて向き合うことしかできていない。それ以外には、何もできない。未だにそうだ。

それでも、どうにかして、子どもなら楽しい思い出にして貰いたいと思うし、とにかく上達至上主義の子には、どんどん先にいってもらいたいし、刹那的な楽しさのみを要求している人にも喜んで貰いたいし、年配になって憧れだったピアノにさわりたいという方には、それこそ全身全霊をこめて、指で奏でる楽しさを感じて貰いたいと考えている。これは、ウソ偽りのないことだ。

そうすると、どうしてもテキスト選びは大事である。
既存のテキストを使う。そして、自分で、これだけは言いたいとか、これを言ったら喜ぶだろうとか、こういう例え話もできるとか、または、ピアノが苦手でも音楽は大好きかな子どもたちに、せめて、読譜の基礎を覚えてもらうと、後々、大人になったとき、好きな曲を弾きたいと思っても助けになるだろうとか、私なりに思いつくことが多くなった。

で、わりとすぐに、私は、ピンポイントで必要なプリントを「楽典プリント」「音楽史プリント」「じゃんけんゲーム」などとして、手書きでじゃんじゃん作り始めた。総枚数は二百枚に近づき、高校生以上の生徒には、西洋音楽史の概要をウィーン古典派のあたりまで、詳しく書いて読んでもらった。近代現代の作曲技法の導入も、聞き手となったときのヒントになる程度は伝えた。じゃんけんゲームは、偶然、レッスンの中で思いついて、その場で絵を描いてやらせたら、異様な興奮ぶりでウケにウケた。これは、うちの定番となり、私が、その場で、その子の好きなものの絵を描いた。すると必ず、「自分で描く」と言い出す。だから、少し余白を残しておき、そこには一つか二つ、好きな絵を描かせた。みんな、じゃんけんゲームで、私の、ぬる〜い線のト音記号やヘ音記号をなぞって練習した。

レッスンの現場で、手作りのプリントを作るのも、なかなか手間がかかる。
で、ありがたいことに、出版と相成った。ゲーム雑誌のライターを15年間もやっていた私にとって、あの人気キャラのポケモンを使えることは、言葉にできないほど嬉しいものだ。ピカチュウ、かわいいし♪

大人になった生徒たちに、この出版のことを言ったら、みんな、じゃんけんゲームや塗り絵のことを細かく覚えていてくれて、思い出話が弾んでしまう。なんの、熱い決意もなく始めてしまったピアノのセンセイ業なのに、こうやって、つながっていられることを思うと、心の底から頭が下がる。

ちょっとしんみりしましたが、見た目もかわいい本ですが、内容も力を尽くしました!
どうか、皆さん、よろしくお願いします♪ オールカラーで、シールつきです!

浜田実弥子著「ピアノとおともだち・ポケモンおんがくわーく・レッスンシールつき」(ドレミ楽譜出版社)1050円20060325-1

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